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相続前アクション十か条 ― 幸せな相続のために今日からできること(後編)

前編では、相続の備えを整えるための5つの行動について説明しました。後編では、残りの5つを取り上げ、事前にどのような準備を進めておけば、家族が安心して承継を迎えられるのかを整理します。いずれも重要なポイントであり、「早く知っておけばよかった」という後悔を減らすための実践的な視点です。

相続前アクション十か条 その6「資産承継の計画を立てる」

6つ目は、「資産承継の計画を立てる」ことです。

相続では、財産をどのように引き継ぐのかを具体的に描くことが欠かせません。単に財産を分けるだけでなく、誰がなにを管理し、どのような役割を担うのか。家族の生活や将来を踏まえて計画を立てておくことで、意思の確認が難しくなる状況が訪れたとしても、選択肢が狭まることを防ぐことができます。書籍でも、早い段階で方向性を定めておくことの重要性を取り上げています。

相続前アクション十か条 その7「資産の管理方法を整える」

7つ目は、「資産の管理方法を整える」ことです。

管理方法が曖昧なまま相続を迎えると、手続きの複雑さや負担が一気に増します。銀行口座や保険、不動産など、日頃の管理状況が整っているかどうかで、相続発生後の対応のしやすさは大きく変わります。書籍では、財産の所在や契約内容が分からずに手続きが滞った事例を紹介しましたが、管理体制を日常的に整えておくことで、家族の負担を大きく減らすことができます。

相続前アクション十か条 その8「制度改正や市況変化の情報収集を怠らない」

8つ目は、「制度改正や市況変化の情報収集を怠らない」ことです。

相続分野は制度改正が頻繁に行われ、また不動産の市況や評価にも変動があります。こうした変化を知らないまま相続を迎えると、本来取れたはずの選択肢を逃してしまうことがあります。書籍でも、状況が複雑になるケースや、法制度を正しく理解しないことによる誤解を取り上げました。大きな動きがなくても、定期的に情報を確認しておく姿勢が、将来の安心につながります。

相続前アクション十か条 その9「第三者を交えた話し合いの場を持つ」

9つ目は、「第三者を交えた話し合いの場を持つ」ことです。


ご家族だけでは、話しづらいことや、理解がすれ違いやすいこともあります。第三者が加わることで、感情的になりやすい場面でも冷静に話し合いができ、家族では気づきにくい視点が生まれます。第三者が「話しやすい空気」をつくる役割を担うことが多くあります。話し合いの場を形式化するだけでも、家族の意思確認がしやすくなります。

相続前アクション十か条 その10「一度決めた計画も定期的に見直す」

最後の10つ目は、「一度決めた計画も定期的に見直す」ことです。

相続の準備は、一度決めれば終わりではありません。家族構成や健康状態、財産状況などは時間とともに変化します。状況の変化に合わせて方向性を修正することで、結果的に家族全員が安心できる相続に近づいたケースもあります。計画を柔軟に見直す姿勢こそが、将来の不確実性に備える最も現実的な方法です。

以上が、相続前アクション十か条の後半5つです。どれも、すぐに大きな変化を感じられるものではありませんが、積み重ねるほど確実に家族の備えが厚くなります。相続は「いつか起こるもの」であり、準備を先延ばしにするほど選択肢は狭まってしまいます。今できる小さな行動を一つずつ丁寧に進めていくことで、家族の未来はより穏やかで確かなものになります。

書籍では、それぞれの行動がどのように役立つのかを事例とともに詳しく解説しています。今回の前後編が、ご自身やご家族の相続準備を始めるきっかけとなり、未来への安心につながることを願っています。

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