COLUMN
お役立ち情報
- 相続
一次相続・二次相続の違いとトラブル回避の考え方

相続を考える際、見落とされがちなのが「一次相続」と「二次相続」を分けて捉える視点です。配偶者が亡くなったときの相続だけで判断すると、数年後に起こる次の相続で思わぬ負担や対立が生じることがあります。相続は一度きりの出来事ではなく、家族の時間軸の中で連続して起こるものです。本稿では、一次相続と二次相続の違いを整理し、将来を見据えた考え方を解説します。
一次相続と二次相続は「別の問題」として考える
一次相続とは、夫婦のどちらかが亡くなった際に起こる相続です。この段階では、配偶者が存命であることが多く、生活の安定を優先した分割が選ばれやすくなります。
一方、二次相続は残された配偶者が亡くなった後に起こる相続で、子ども世代が中心となります。
この2つは、相続人の構成も、家族の関係性も異なります。一次相続では配偶者と子どもが相続人になりますが、二次相続では配偶者がいない分、子ども同士の関係性が前面に出ます。そのため、一次相続だけを基準に考えると、二次相続で分割が難しくなったり、話し合いがこじれたりする原因になります。
一次相続だけで判断すると起こりやすい問題
一次相続では、「とりあえず配偶者に多く残す」という判断がされることがあります。生活を守るという意味では自然な選択ですが、財産がすべて配偶者に集まることで、次の相続時に整理が一気に難しくなることがあります。
不動産や預貯金が集中したまま年月が経つと、
・誰がどの財産を引き継ぐのか決めにくい
・不動産の管理や処分が先送りされる
・子ども同士の意見が対立しやすくなる
といった問題が表面化します。
相続税の申告期限はそれぞれの相続で限られており、二次相続では話し合いにかけられる時間が不足するケースもあります。一次相続の段階で「次の相続」を意識していないと、結果的に家族の負担が大きくなります。
二次相続まで見据えた準備がトラブル回避につながる
相続を円滑に進めるためには、一次相続の段階から二次相続を見据えた整理が欠かせません。重要なのは、今の負担だけでなく、将来の分割や管理まで含めて考えることです。
具体的には、
・不動産を誰が管理し、将来どうするのか
・財産が偏りすぎていないか
・子ども世代が納得できる分け方になっているか
といった視点を、早い段階で共有しておくことが大切です。
また、家族会議を通じて価値観を共有しておくことで、「なぜこの分け方にしたのか」という背景が伝わり、後の誤解や不満を減らすことができます。相続は制度の問題であると同時に、家族の関係性の問題でもあります。
一次相続と二次相続は連続した出来事であり、切り離して考えることはできません。一次相続の判断が、数年後の二次相続の難しさを左右します。
目の前の相続だけでなく、次の世代にどのような形で引き継がれていくのかを考えることが、結果として節税やトラブル回避につながります。相続は「そのときだけ」で終わらせず、時間の流れの中で捉えることが、家族にとって納得感のある承継への第一歩です。
書籍はこちら
