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家族会議の開き方 ― 相続の話を“揉めずに”始めるコツ

相続のご相談で多く聞かれるのが、「話し合いをしないまま時間が過ぎてしまった」という後悔です。実は相続は、亡くなった後に始まるものではなく、家族の暮らしや将来設計と地続きのテーマです。早い段階で家族会議を開き、気持ちや事情を共有しておくことが、結果として家族間・親族間の争いを防ぎます。本稿では、相続の話を“揉めずに”始めるための家族会議の考え方と進め方を整理します。

相続の話は「結論」より「対話」から始める

家族会議というと、「遺産の分け方を決める場」と身構えてしまいがちですが、最初から結論を出す必要はありません。むしろ大切なのは、「今、何を不安に感じているのか」「これからどんな暮らしを望んでいるのか」を言葉にすることです。

親世代は「できるだけ迷惑をかけたくない」と考え、子世代は「介護や費用の負担が心配」と感じていることも少なくありません。こうした認識のズレを放置したまま相続を迎えると、死後に一気に噴き出してしまいます。


家族会議は、財産の話に入る前に、まず気持ちを共有する場として位置づけることが重要です。

話し合いがうまく進む家族会議の整え方

家族会議を円滑に進めるためには、事前の準備が欠かせません。ポイントは「タイミング」「参加者」「進め方」の3つです。

まず、親が元気で判断力がしっかりしている時期に始めることが重要です。体調や認知機能に不安が出てからでは、話し合いそのものが難しくなります。参加者は、相続に関わる家族を基本とし、初回は少人数から始めても構いません。

また、「今日は実家の今後について話す」など、テーマを絞って共有しておくと、感情的な衝突を防ぎやすくなります。話し合いの内容は簡単でも記録を残しておくことで、後の認識違いを防ぐことにつながります。

家族会議が“争いの芽”を早く見つけてくれる

相続で揉める原因の多くは、財産そのものよりも「感情の行き違い」にあります。

「自分だけ負担を背負わされるのではないか」
「公平に扱われていないのではないか」

こうした不安は、相続が発生してからでは修正が難しくなります。

家族会議を重ねることで、それぞれの事情や立場が見え、歩み寄りの余地が生まれます。話し合いの中で出てくる違和感や不満こそが、将来のトラブルの芽です。それを早い段階で言葉にできれば、対策を考える時間も確保できます。

相続を「最後の会議」にしないこと。これが、家族の信頼関係を守るための大切な視点です。

相続の話を“揉めずに”始めるために必要なのは、制度や知識よりも「対話の場」を持つことです。家族会議は、遺産を分けるための場ではなく、家族の未来を考えるための時間です。

早く始め、小さく話し、何度も見直す。その積み重ねが、相続を巡る不安や誤解を減らし、家族が納得できる承継につながります。

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