COLUMN

  • 不動産
  • 相続

空き家・農地・山林を“負の遺産”にしないために今できること

相続財産の中でも、空き家や農地、山林は扱いが難しく、相続後に大きな負担となることがあります。使い道が決まらないまま放置されると、管理の手間や費用だけが残り、家族にとって“引き継ぎたくない財産”になってしまいます。こうした事態を避けるためには、相続が発生する前から準備を始めることが重要です。本稿では、空き家・農地・山林を負の遺産にしないための考え方を整理します。

なぜ空き家・農地・山林は問題になりやすいのか

空き家や農地、山林は、現金や預貯金と違い、管理や活用が前提となる財産です。住む人や使う人がいなくなった瞬間に、維持管理だけが残ります。

建物であれば老朽化が進み、土地であれば草木の管理や境界の問題が生じることもあります。

相続が発生したあとで初めてこれらの財産の存在や状態を確認するケースも少なくありません。その結果、

・誰が管理するのか決まらない
・使い道がなく、放置される
・名義変更が後回しになる

といった状況が続き、相続人にとって重荷となっていきます。相続税の申告や名義変更といった手続きとは別に、日常的な管理が必要になる点が、これらの財産を難しくしている要因です。

放置が続くと起こりやすいトラブル

空き家や未利用の土地を放置していると、相続後の選択肢が狭まっていきます。名義変更が済んでいない場合、売却や活用が進まず、結果として「どうにもできない財産」になってしまうのです。

また、相続人が複数いる場合、

・管理を誰が担うのか
・費用を誰が負担するのか

といった点で意見が分かれやすくなります。

最初に話し合いができていないと、「自分だけが損をしている」という不満が生まれ、家族関係の悪化につながることも。空き家・農地・山林は、分けにくい財産であるがゆえに、相続人全員の合意形成が重要になります。合意が遅れれば、他の相続手続きにも影響が出てしまうからです。

“今できること”は整理と共有から始まる

負の遺産にしないためにまず必要なのは、財産の整理と見える化です。どこに、どのような土地や建物があるのか、現在どのような状態なのかを把握することが第一歩になります。

次に重要なのが、

・誰が管理を担うのか
・将来どのように扱う可能性があるのか

をご家族で共有することです。すぐに結論を出す必要はありませんが、「話題に出したことがある」という事実が、相続後の判断を大きく助けます。

また、相続が発生してから慌てて対応するよりも、生前のうちに方針を整理しておくことで、名義変更や手続きもスムーズに進みます。空き家や土地について話し合うことは気が重いものですが、先送りにするほど家族の負担は大きくなってしまうでしょう。

空き家・農地・山林は、使い道が決まらないまま相続されると、家族にとって大きな負担になります。しかし、早い段階で整理し、家族で共有しておくことで、「引き継ぎにくい財産」から「選択肢のある財産」へと変えることができます。

相続は、財産を残すことが目的ではありません。次の世代が無理なく受け取り、判断できる状態にしておくことこそが、負の遺産を生まないための準備といえるでしょう。

相続に関するお問い合わせはこちらから

書籍はこちら